PRESIDENT INTERVIEW

社長インタビュー

創業は昭和22年

創業当時は、川口市本町4丁目で鋳物金物の卸を行っていました。川口市は鋳物の街として栄え、『キューポラのある街』という映画の舞台にもなりました。私の曾祖父にあたる柿沼久四郎が、代表社員として就任し「永久」がスタートしました。

会社概要

建築資材を建設会社様、工務店様、リフォーム会社様等に販売する、所謂BtoBで、特に水廻りをメインに、お風呂、キッチン、洗面化粧台、トイレなどの商品を取り扱っています。その他、ドア、フローリングなどの木質建材や太陽光パネルなども取り扱い、「住」に関わる商品を幅広く展開しています。

社長プロフィール

大学卒業後、永久に入社。平成20年に代表取締役に就任。先代から引継いだ会社をより強い組織とするために一から改革を進め、「社員の成長と幸せのため」と働きやすい環境作りにも積極的に関わる。今後は、さらなる事業所展開も見据えながら、躍進を続ける若き経営者。趣味はウォーキング。

2016年に事務所をリフォーム

事務所をリニューアルしました。以前は、倉庫の片隅にある事務所という殺風景な内装でしたが、社員の居心地の良さを優先したデザインをお願いし、現在は白を基調とした開放感のあるデスク周りになり、2階には温もりを感じる照明の休憩スペースが設けられました。もちろん、材料はすべて自社で取り扱いのあるもので用意しました。

屋号の由来

“永久”と書いて、“ながきゅう”と読むことに、疑問を持つ方も多いでしょう。昭和22年創業時には鋳物問屋として出発しましたが、それ以前は曽祖父・柿沼久四郎は八百屋「八百久(やおきゅう)」を経営していました。当時、川口市は鋳物の街として急成長していた所でしたので、私の祖父・二代目の柿沼勇吉と祖母が、鋳物金物を扱う事業をやりたいと相談を持ちかけましたが、隣家がすでに鋳物金物店を営んでいたため、商売敵になってしまうと曾祖父の反対を受けてしまったのです。しかし転機があったのは、終戦後の昭和20年代。近県で鋳物工場を経営していた親戚の永瀬氏が事情により川口に移ってきました。そこで、一緒に商売を手伝ってほしいという相談があり、永瀬氏との共同経営の中で卸部門を曽祖父が担当するということであれば、隣家にも申し訳が立つのではないかということで、鋳物金物の卸として出発。そして、永瀬氏の永の字と、曾祖父・久四郎の久の字を併せて、「永久」といつまでも永く続いていく会社になってほしいという意味を込めて名付けられました。義理と人情を重んじる考えは、4代目の私にもしっかり受け継がれています。

鋳物問屋から、住宅設備機器問屋に移行したきっかけ

父・柿沼眞一が専務だった昭和50年に「株式会社永久」に名前を変え、組織も変更しました。その頃は、鋳物に代わってアルミやステンレス、そして強化プラスチックなどの軽くて、安くて、丈夫な素材が主流になりつつあり、変革期を迎えていると考えた父が提案し、取り扱い商材を鋳物金物から住宅設備機器をはじめとする建築資材へと切り替えるべく、大きく舵を切りました。翌年昭和51年には先だって目を付けたこともあり、伊奈製陶株式会社(現・株式会社LIXIL)と代理店契約を結び、現在までお取引を続けさせていただいております。また、商品の卸を行うだけでは、いずれ価格競争になり、いつか会社は衰退してしまうだろうと考えた父は、工事機能も持とうと改革に乗り出します。当時の社長の猛反対を押し切り、現在もグループ会社として工事機能の中枢となる有限会社広栄工業を設立しました。業界全体が経営不振に陥り、自社にも影響があった時期も、工事機能があったからこそ、建て直せたと思っています。この時の父の思い切った判断があったからこそ、お客様に選ばれ、屋号の通り、永久に続いていく会社の土台ができ上がりました。

祖父と父の働く姿を見て育つ

子供の頃は正直、家を継ぐつもりはありませんでした。
当時は家庭の中であっても、父と祖父が仕事についてぶつかるような場面もありましたので、今思えばお互いの真剣さ故の事と理解できますが、子供ながらに仲を悪くするような仕事は嫌だなと思っていました。

ただ、一方では祖父や祖母から、跡継ぎとして子供の頃から期待されていたので、いつかは家を手伝うことはあるだろうとは考えていました。

父からは家を継ぎなさい、会社を継ぎなさいと言われたことはなかったです。
それもあって、社会に出たら自分が好きなことをやりたいなと思っていたので、学生時代は家業と関係のないことを勉強していました。卒業後も違う進路を考えていたのですが、父が体調を崩したことをきっかけに、その選択でいいのか考えるようになりました。
会社を続けるかどうかを父が考えていることを知り、改めて私も自分の人生と、会社を継ぐことを悩みました。
最終的には自分が継ぐことを決め、会社に入れてくださいと言いました。直接は大きな反応はもらいませんでしたが、母を通して、父が私の決断を喜んでいたと聞きました。
私のすることに父はダメだと言ったことはないので、社長になってからは自分で物事を決断してきました。

リフォーム・ブームの先駆け

住宅設備機器の販売・施工に大きく力を入れ始め、商品受注から組立工事まですべて自社で対応することになりました。その当時は、まだ営繕や修繕と呼ばれていたところに、リフォームという言葉が流行するようになってきました。現場調査から商品選択、さらに商品発注から工事まで、すべて自社にお任せ、と打ち出せたので、広く展開させていただくことができました。
そして、問屋としては早い段階からリフォーム工事に取り組みましたので、色々な試行錯誤をしながら、リフォームの技術を磨き、「また永久に頼みたい」というお言葉をいただけるような永久独自の技術力、応用力を身につけ、多くの実績を作らせていただけたことが、現在もお客様に選んでいただける理由になっていると考えています。

社長となって見えてきたもの

社長に就任してから、先代から引き継ぐべき良いことはしっかり継承し、問題がある点は正していきたいと思うようになりました。
父は行動力があり、新しいことにチャレンジするタイプで、勢いがある分、勘定が苦手という弱点もありました。それによって、在庫を抱えすぎてしまい、管理も不充分だったため、仕入れたものをお金を払って処分しなくてはいけない状況も発生していました。
社長になってからはその点を改め、今は在庫を10分の1以下にしています。整理整頓、職場の環境改善は力を入れてきた部分です。

父の跡を継いでから、社長はものすごく大変だ、孤独だなということを感じます。最終的には自分で決め、責任を持たなくてはいけないので。幸い、父にまだ相談する事ができますので、本当に悩んだときは意見を求めることがあります。だいたい私と同じ答えが返ってきますね。

残すもの、変えるもの

私で4代目になりますが、見栄を張らずに質素に物事を取り組んでいく、必要以上の投資をしないことを心がけています。本業以外のことや、自分がわからないものは手を出さないのが原則です。
もちろん会社としての成長は考えています。会社の得意な部分を伸ばし、商売で培ってきたものを深めていく必要があります。特に工事の部分は強化していきたいです。着実に実績を伸ばしていくために、現在川口と熊谷以外に拠点を増やして、サービスを厚くしていくことが目下の課題です。
ただ、拠点を作ればいいというわけではなく、そこで働く人材が不可欠なので、先代から培ってきた社員を大切にし、若手も育てながら体制を整えていき、県内を中心にひとつひとつ拠点を増やしていきたいと考えています。

代表取締役としての使命


代表としていつも心がけていることは、誰からも後ろ指を刺されない、誰に見られても恥ずかしくない代表でありたいと思っています。例えば、在庫を抱える倉庫が整理整頓されているとか、どんな場面も胸を張って見せられること、これが一番重要なことと思っています。当たり前のことですが、この当たり前を率先して行動にして示すことが代表の務めと思っています。永く続いてきた会社ですから、会社が好調の時も、振るわない時も、力強く会社を支えてくれた社員の仲間がいて、協力してくださったお取引先様がいます。少しずつでも、その恩を返していきたいので、そのためには自分自身も強く、会社もこれまで以上に成長していかなければならないのです。

永久の強みは、「社員力」

他社にない永久の強みは、「社員」です。これは胸を張って言えます。営業で言えば、メーカー出身の社員が多数在籍し、他の社員へ知識を共有しているので、メーカー様の営業以上に商品のことを知っていて提案力もあります。メーカー様から、社員のスキルの高さを褒められることもあります。
営業と営業事務がペアになって対応しているので、どんな状況でも、お客様を必要以上にお待たせしてしまうということはありません。中間業者を挟まない分、スピーディに仕事ができ、最善の提案が可能になります。それが、お客様への信頼を勝ち取り、社員の働くモチベーションの高さにもつながっています。部署間の連携にも力を入れており、意見を横展開し、要望を出し合うことによって全社で業務の改善に取り組んでいます。

事業拡大、サービスの充実のため、あなたの力が必要です

現在、川口と熊谷に事業所があります。しかし、工事の予定が先まで埋まっている状況があり、お客様にお待ちいただくケースも少なくありません。工事機能はこれからもどんどん強化する予定でいますし、着実に拠点も増やしていきたいと思っていますので、みなさんの力を必要としています。埼玉、東京、神奈川、群馬、千葉、栃木と関東圏を中心にお客様がいますので、サービスの充実を図りたいと考えています。

業界の動向は

人口減少もあり、新設住宅着工数は2018年度の95万戸から、2030年度には3分の2ぐらいに減少すると言われています。ただし、リフォームやリノベーション市場は規模を維持、緩やかに成長していくと予想されているので、しっかり伸ばしていくつもりです。
永久はリフォームに強みを持っていますので、自信を持って取り組んでいきたいと思います。
しかし異業種からの進出も増え、競争は激しくなっていくでしょう。今後ますます、人材の質が問われていくと思います。そのために、人を大切にして経営をおこなっていきたいと考えています。

求める人物像

「我慢強く、最後までやりきる人」が向いているでしょう。そして元気のいい、明るい人がいいですね。どうしてもベテランが増えてくると落ち着いてしまい、アイデアが出にくくなるので、新しい風を運んできてくれるような人を求めています。
また日頃から社員には、「正々堂々、勇気を持って事に当たりなさい」と言っています。
お客様から、「永久さんにやってもらってよかった」という仕事を積み上げていくことが必要です。
礼儀、あいさつ、約束を守る、誠実に対応するなど、人として正しくあること、それができる人材を多く育てていかなくてはいけないと考えています。